ごあいさつ(第67回静岡県手をつなぐ育成会大会「趣旨」より抜粋)
本大会のテーマとして「すべての人が地域で安心して暮らせる共生社会の実現」を掲げました。2016年7月26日に発生した「津久井やまゆり園事件」から、まもなく10年となります。この間、障害のある人に対する理解の促進や地域で共に暮らす共生社会の実現に向けた取組が進められてきました。
本年度から、入所施設で暮らしているすべての利用者を対象に、地域生活への移行に関する意向確認が義務化されました。また、本年度が最終年度となります第7期障害福祉計画および第3期障害児福祉計画においても、地域生活支援体制の整備が重点目標として掲げられています。地域生活支援拠点等の整備、慢性的な人材不足への対応、専門性の向上、高齢化・重度化への対応、相談支援の質の向上、地域格差の是正など、多くの課題への対応が求められています。
こうした状況の中で、大会スローガンである、「育成会の役割と力を再確認し、地域生活支援体制を構築しよう」が示すように、地域で暮らす知的障害のある人と家族を支えるためには、育成会が果たすべき役割を改めて見つめ直し、地域の多様な資源をつなぎ、支え合いの仕組みをつくることが不可欠です。知的障害のある人の約9割が地域で生活している現状を踏まえ、育成会は「すべての人が地域で安心して暮らせる共生社会の実現」に向けた取組を一層推進してまいります。
また、もう一つの大会スローガンには、自然災害の多様化と激甚化に備える防災体制の強化を掲げました。
令和7年9月に発生した台風第15号では、記録的な竜巻等の突風により、牧之原市や吉田町をはじめとする県中部地域に甚大な被害が発生しました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
近年、地震や豪雨などの自然災害が全国各地で頻発しており、災害への備えは喫緊の課題となっています。とりわけ、障害のある人とその家族の命と暮らしを守るためには、平時からの備えと地域との連携が不可欠です。
本会においては、会員相互の支え合いはもとより、行政や関係機関、地域住民との連携を一層深めながら、組織力を結集し、地域全体で支え合う防災・減災の取組を推進していきたいと思います。
本大会の記念講演では、成年後見制度の改正を盛り込んだ民法改正法案が6月17日に成立したことを踏まえ、今後の制度運用が注目される中、育成会を代表して法務省法制審議会へ参加されてきた久保顧問(前会長)をお招きし、「成年後見制度の現状と課題」と題してご講演をいただきます。
成年後見制度は、私たちにとって「親なきあと」の暮らしを地域に託すうえで極めて重要な制度であり、今回の見直しによって、より良い制度となることを期待しております。
近年、少子化が進む一方で、本県における療育手帳所持者は増加傾向にあります。市町育成会の皆様におかれましては、今後とも地域との連携を一層深め活動を推進していただきますようお願い申し上げ、本大会の趣旨といたします。
「手をつなぐ手をつなぐ育成会」とは
「手をつなぐ育成会」は、知的障がいのある人たちを支える親や家族、支援者などで組織している会です。
1952年(昭和27年)に知的障がい児を持つ3人の母親が、障害のある子の幸せを願って、教育、福祉、就労などの施策の整備・充実を求め、「手をつなぐ育成会」を設立したのが始まりです。
「静岡県手をつなぐ育成会」は、昭和34年10月に設立され、以来、権利擁護や福祉施策の充実などのために活動しています。
静岡県手をつなぐ育成会の活動概要
静岡県手をつなぐ育成会は次のような活動を行っています。
「共に学ぶ」~必要な情報の提供~
〇卒業後の進路選択や一人ひとり、その人に合った暮らしができる方法を学び、情報共有や意識啓発のための研修会の開催
・知的障害者職業自立啓発セミナー
〇地域で安心して暮らせるための手助けをしてくれる「知的障害者相談員」のスキルアップのための研修会の開催
「共に語る」~仲間との交流~
〇育成会の活動報告や時折の話題を提供する機関紙「手をつなぐ静岡」の発行
〇必要な制度や福祉サービス充実のために会員の声を反映させた県への要望活動
【各種大会】
〇静岡県手をつなぐ育成会大会の開催
〇手をつなぐ育成会東海北陸大会の開催
「共に支え合う」~安心して暮らすために~
〇本人のライフステージを記録し、適切な支援、福祉サービスを受けるための「しずおかサポートファイル」の作成、活用支援
※「しずおかサポートファイル」とは、成長を記録し、病院や学校、仕事先で役立ちます。また、親亡き後の思いも記入できます。
〇いざというときのための各種保険の紹介
知的障害児者生活サポート協会
【各種部会】
〇児童部会:学齢期の子どもの親同士の交流、子どもの福祉や教育についての話し合いや行政との意見交換
〇就労支援部会:よりよい就労につなげ、継続するための話し合いや行政との意見交換
〇本人部会:「私たちを抜きに私たちのことを決めないで」・・・障がい者本人達が地域で当たり前に暮らせるために必要な支援を本音で語る場の提供